1-6. 世界最大の淡水湖バイカルとロシア美女
いつ到着するかわからない恐怖
電車旅も3日目に差し掛かった頃、ようやく最初の目的地であるバイカル湖が見えてくる。
細長いバナナみたいな巨大湖が見えてもそこから湖畔に沿って電車は走る。
ここからも結構時間がかかった。
木々だけの車窓に比べると、だいぶマシ。
しばらく外の景色を楽しんだ。
湖の近くは集落が点々とあり、いくつか駅に停まった。
そこで一抹の不安がよぎる。
「俺らいつ下りるの...?笑」
大きな駅のはずだからわかるだろうと思っていたのだけれど。
車内アナウンスなんてものはなかった。
まぁあったとしてもわからないだろうけど。
外に見える看板も読めるはずがない。
車内にあった時刻表と照らし合わせ、夕方ごろにつくはずだということを確認。
時刻通りに運行しているかも定かじゃなかった。
ここでもやはりご活躍なさったのが、
Google maps大先生
GPSをフル活用して、近づいたらすぐ降りられように身支度。
結果、相部屋だったロシア人に助けられなんとかイルクーツク到着。
(昨日の親子は朝起きたらいなくなっていて、代わりにさらに無愛想なおじさんが寝ていた。)
静かな街イルクーツク
電車に乗ること三日間、ようやくイルクーツクへ到着。
駅舎もどこか可愛らしい雰囲気の古めな建物たち。
モンゴル行きのチケットは次の日また駅に戻って買うことにして、
Airbnbでとった宿に向かうため駅から市内へ。
暑くはなく汗もそれ程かかなかったが、早くシャワーを浴びたかった。
やはり大きな駅らしく、線路が何本も走っており、電車も数台停まっていた。
初日なので散策がてら30分ほどの道のりを歩いて行くことに。
奥に見えるのが駅。
すぐに大きな川を渡る橋がある。
水面も穏やかで、とても綺麗だった。
ただ横の道路の交通量は凄まじく、排気ガスが大量に垂れ流されているようだった。
イルクーツクでの宿はこちら。
イルクーツクにあった一般的なアパート。
一階にあるLeoさんのおうち。
英語が喋れて、お世話好きのロシア人。
観光Mapやオススメのスーパーなんかを教えてくれた。
時期外れのリストビャンカへ
次の日、市内にあるバス乗り場から1時間ほどかけてバイカル湖畔の街リストビャンカへ。
110ルーブルという格安の乗合バス。
まぁここでもほとんど地元の人だったけど。
相方と四月から新社会人になるのかー的な話をしながらあっという間にバイカル湖へ。
やはり水は透き通ってきれい。
奥の山もうっすら紅葉していて観光にいい街なようだ。
ただ...
寒い。
風が強く寒い。
しかし、ここまできて入らないのも悔しいので、
足だけでもと思い入水。
痛すぎる。
まわりにいた中国人失笑。
夏に来たら絶好の避暑地なんだろうなぁ。
人も少ないだろうし、ゆっくりとリフレッシュできそう。
その後はおとなしく観光。
それっぽい写真とってみたり、
ちかくにあった、(唯一の)商店街にいってみたり。
バイカル湖で獲れるという魚の燻製があちこちで売られている。
ザ・ロシア人のおばちゃんみたいな人と記念撮影もしてきた。
しょっちゅう韓国語で喋りかけられた。
日本人はあまり来ないらしい。
散策して観光地からはなれ、民家街に行っても、
またあの怪しい燻製がうられている。
そんなに魚を燻してもお客さんこないだろうに。
燻した香りがつよく、淡水魚特有の臭みもけっこうきつかった。
おいしかったけど、これを食べにだけはもどってこない。
下の写真の小さな魚の燻製に至っては、もうたべたくない。
ねちゃねちゃした食感が初体験ながらも気持ち悪かった。
日が暮れかけてもバイカル湖は美しかった。
世界最大の淡水湖かつ、世界一の透明度をほこるらしい。
おだやかな湖畔と、静かな街並みはゆっくり散歩するのに最適だった。
カフェ店員の女の子に恋をした
さてさて、イルクーツクにいたのは三日間。
滞在期間毎日お世話になったのが、
Traveler's Coffee
後から知ったのだが、羽田にもあるらしい。
イルクーツクには何店舗かあった。
インスタントのコーヒーばかりのロシアだが、抽出器具や豆を産地から選べる本格派。
位置も通りWi-Fi利用のために立ち寄っただけだったが、
めちゃくちゃ美人な店員さんが...笑
やはりロシア。
美人はほんとに美人。
オルガちゃんと言うそうです。
コーヒーが好きらしく、いろいろ教えてくれた。
最終日には一緒に写真撮ってもらった。
普段はメガネ女子だったが、なぜか照れながら外してくれた笑
いい国だなぁロシア。
モスクワとかサンクトペテルブルクあたりまでいっちゃうともっと洗練されてしまうのだろうか。
ほどよい田舎ぐあいが魅力的だったイルクーツク。
ロシア語話せたらおもしろいだろうに。
ぜひともまたもどりたいです。
つづく。
1-5. 三日間の軟禁列車と豪華な食堂車
シベリア鉄道は半日ですることがなくなる
乗車時は初の寝台列車にテンション上がるも、おちついてくると時間の使い方に悩み出す。
なにせ部屋にはベッドしかない。
身長185cmの僕にぴったりのサイズ。
体はちょうど伸びきるが、足と頭はあたる。
支給されるものは、布団、シーツ、枕、ブランケットの一式。
荷物は収納スペースこそあるものの、寝るか座るかしかできない。
もちろんwifiなんかありません。
google mapsのGPSで位置情報を確認するくらいが楽しみ。
ウラジオストク発車後しばらくして、ロシア人親子が乗ってくる。
僕たち二人は両方とも二段ベッドのうえ。
シベリア鉄道では下のベッドの人たちは、寝る時以外うえの人たちも座れるように席を空けとかなければならないらしいが...
お父さん顔険しいし、ロシア語でなにか言ってるかわからないし最初は躊躇した。
お父さんずっと廊下で外の景色を眺めている。
とりあえずうえのベッドで本を読んだり、昼寝したり。
しばらくすると...
がきんちょがそわそわし始める。
とりあえずこの子、いないないばぁすると笑い転げるので一緒に遊ぶ。
元気いっぱいすぎて狭い部屋をぴょんぴょん飛び回る。
二段ベッドにぶら下がって見たり。
いや、可愛すぎる。
ウラジオストクの街でも子供は、人懐っこい子が多かった気がする。
でも大人になると、目つき鋭く、顔が険しくなるのはなんでだろう。
荘厳な食堂車と酒飲みじいさん
がきんちょが疲れて昼寝し始めたところで、いよいよすることもなくなり電車内を探索してみることに。
シベリア鉄道といったら食堂車!
iphoneのカメラでも絵になる。
他の車両とは段違いの豪華さ。
お客さんはほとんどいない。
メニューも若干古め。三年前のですか。
英語のメニューもあるにはあるけど、フォントどうにかしてくれ。
しかも手書きの値段も、数字のくせがすごい。
コーヒー100ルーブルと、ココア200ルーブルをたのんでみる。
インスタントだけどまぁまぁおいしい。
特に甘いものしばらくとってなかったからココアはしみた。
ここで相方としばらく雑談。
景色をみながらぼーっとする時間がおおかった。
なんにも考えないで、ゆっくりと流れる景色をみるのもなかなかいい。
ところどころ紅葉している木もあるが、ほとんど落葉している。
雪もうっすら積もっているくらいのロシアの秋。
ほとんど代わり映えのしない広大な土地を進んで行くが、それでも、ところどころにうかがえる日本とは全く異なった景色を眺めるのは電車旅の醍醐味であろう。
バイカル湖の近くは美しかった。
ちいさな集落の近くにある辺りで、おじいさんが釣りをしている姿は想像通りのロシアであった。
なんども食堂車を訪れたが食事をとったのは一度きり。
基本的に貧乏旅行なんでね。
この日は贅沢にビールも。
あいかわらずメニューは解読困難だったので、読み取れた単語から気になったものをチョイス。
僕はトマトとチーズのソテーのようなもの。
相方は牛肉の卵とじ。
残念ながらクオリティは決して高くない。
提供までの時間も恐ろしく長かった。
まぁでも、そこは電車旅。あせらずゆっくりと楽しんだ。
二人で1696ルーブル。
たけぇ。
なので2回目の食堂車ディナーはかないませんでした笑
僕たちが食事をしている間しばらく食堂車にいたが、
斜め後ろのおじさんはずっとスナックとともに、ずっとウォッカを嗜んでいた。
さすがロシア人。
貧乏電車旅で飢えをしのぐ方法
さてさて、貧乏旅なので何を食べていたかというと、
そうですカップラーメン。
なんのひねりもないけど、やっぱり便利。
相方は用意周到でサブバックの半分にカップラーメンいっぱいもってきていた。
実際それが正解だった。
僕もあわててウラジオストクで購入。
この旅では、辛ラーメンになんどもお世話になりました。
ちなみに写真のカップラーメンの後ろにあるのは、ロシア人親子の食料。
さすがは慣れてらっしゃる。
シリアルやパンにバター、ジャム。普通に食事をとっていた。
なぜカップラーメンが便利だったかというと、
事前リサーチの時に、シベリア鉄道には給湯器がついているという噂を聞いた。
やっぱり温かいものを食べると元気になるね。
途中から、いつご飯食べるかが楽しみになっていたほど。
(カップラーメンを買った量が少なすぎて、節約しなければならなかったという愚かさ)
途中停車駅に売店もあり、10~20分の停車時間だが買いに行くことも可能だった。
が、実際途中で買いにいったが車内に在中するワゴン販売のおばちゃんに、
「なんで私から買わないの」
と怒られた。
ふくよかな肝っ玉母ちゃんのようなおばさま。威圧感すごかった。
なので次の日
中に根菜のようなものが入った惣菜パンを買ってみた。
パサパサして美味しくなかったが、
一個50ルーブル(100円)くらいだったのでまぁ許そう。
基本的にカップラーメンを食べて飢えをしのいだ3日間。
いつか美味しい食事をとりながら、さらに優雅な電車旅をしてみたい。
しばらくして第一の目的地であるバイカル湖に到着。
世界一の透明度を誇る巨大な湖。
つづく。