2-4. 念願の遊牧民ホームステイ!大草原の中ゲルでキャンプ。
- ウランバートルから車で2時間のど田舎へ
- 遊牧民の住まい:ゲル
- 番犬オマロと半野生のどうぶつたたち
- 大草原を颯爽と
- う○この大地でおおはしゃぎ
- ワイルドな食生活
- 自分で作るチーズと馬乳酒
- なにもない。それもいい。
ウランバートルから車で2時間のど田舎へ
ベラとマッシュルームと別れ、軽い二日酔いのなか、ついに一番楽しみだった遊牧民ホームステイ。
今回は、
SHINE ZUUCH TRAVEL(シネズーチトラベル)という会社の現地ツアーを申し込んだ。
日本語が喋れるモンゴル人が経営している会社で、調べた中で価格も安く一番自由度が高いと感じた。
3泊4日で$350。
「馬乗りほーですよ」って言われたのが最後の決め手。
飲み放題みたいなノリで言われて大丈夫かよ...と思ったけど、乗馬が楽しみだったのでよしとした。
宿まで車で迎えに来てくれて、途中スーパーで買い出し。
ご飯は1日3食でるが、飲料水は貴重なので各自用意してくださいとのことだった。
先日の13世紀村に行った時のように、途中から舗装されてない悪路をすすみ2時間。
距離的にはウランバートルから120kmほど。
ついたのがこちら。
いや。想像以上になにもねぇ。
ここに置いてかれるのかと若干の緊張感と大きな期待に胸が膨らむ。
遊牧民の住まい:ゲル
泊まらせてもらうのはこちら。
中学の地理の授業の時から見たかった、
移動式テント:ゲル
今回泊まらせてもらうおうちでは、
冬季をこの場所で過ごし、左側をゲスト用として貸し出しているという。
家の中はこんな感じ。
驚いたのはテレビがあったこと。最近は場所を選べば電線から電気がつかえるらしい。
両サイドが日本人二人。
真ん中の女性がお母さん。その右がお父さん。
小柄の方達だった。そのほかにおばあちゃんや子供達、親戚(?)などが入れ替わりにやってきた。近くに住んでるというが、歩いてはみつからない距離。いや全然近くないんですが、どこからきてるんでしょう。
写真の左から2番目が僕たちのガイドさん。名古屋近くで長いこと働いてたのでこてこての三河弁。
ホームステイ先の家族はモンゴル語オンリー。なので、大事な話があると彼頼みなのだが、なにせお父さんお母さん一日中働いてるので、ガイドさんを介してお話しする機会はほとんどなかった(笑)
なんどもいうが、
ほんとうになにもない。
テントの裏にある小高い丘に上がってとった写真。ひだりにポツンと見えるのがゲル。横に馬小屋があるが、夜だけ子馬を保護するために使うらしい。
番犬オマロと半野生のどうぶつたたち
ついて最初に出迎えてくれたのはこの子。
なんとも可愛らしいが、番犬らしい。
帰国後調べてみると「モンゴリアン・バンホール」という牧畜犬。
モンゴルでは、番犬として犬を飼うらしい。この子は人懐っこすぎて、役割をはたしているのだろうか。
眉のところにある茶色の点が可愛かったので、「オマロ」と名付けた。
(基本的に番犬には名前はつけないらしい。)
さすが遊牧民だと感じたのは、たくさんの家畜を所有していたことだった。
散歩していると、牛・馬・羊などによく出会う。
子供達は家の近くにいることが多いので、子牛なんかは家の近くまでよく来た。
おもしろいのは放牧していても遊牧民の人たちは自分が所有している子達を簡単に見分けられるそう。
確かに焼印が押してあるが、小さくて遠くからだとわからない。
それでも、家の近くでチェックしたいときは、双眼鏡で探して、
この通り。
囲い込みはバイクでとここは近代的。
それでも馬を遠くから小屋へ追い込む姿は慣れたものでかっこよかった。
(ちなみにここでもオマロは悠々と寝そべりながら見てるだけ)
たまに干し草の訪問販売もくるが、草なんてその辺に無限に生えている。
冬でも完全に枯れることはないそうで、体調が悪い子がいたら買ってあげるそう。
日本だったら完全に積載量アウトなくらい大量に積んで走っていた。
ちなみにバイクはお父さんが自分で修理。
滞在中に廃車が運ばれて来たが、全部分解して組み立て直し使うらしい。恐れ入りました。
家畜は遊牧民の資産
それに加え、生活用品も新しいのを簡単に替えるわけではないので最後まで丁寧に扱うもの。
東京で暮らす僕には耳の痛い話だった。
その通りだなと痛感。
大草原を颯爽と
先ほど、馬を集めて来てくれたのは僕たちように鞍をつけてくれるため。
現地の人たちは小さい頃から裸馬で乗ることもあるらしい。いい幼少期だなぁ。
ただそんなこと僕たちには無理なので、よろしくお願いしますと頼んだ。
洗濯竿かとおもった棒に、お父さんが馬をとめといてくれる。
乗馬クラブの馬と違い、半野生なので機嫌が悪い馬は、とにかく暴れまわる。
僕たちには扱えそうにない子がいたら、リリースして新しい子を選んでくれた。なんと大胆な。
おじいちゃんということだったが、相棒は白い馬がよかったので彼を選んだ。
初日はお父さんと一緒に。
先導するのはオマロ(笑)
ここぞとばかりに走って行った。
お父さんのデール姿も勇ましい。これぞ遊牧民って感じ。
ひたすら広がる大草原
見わたす限り僕らしかいない
先日の雪がまだ残る丘
氷点下近い気温
吹き付ける冷たい風
もういうことはなかった。
ただただ最高な旅。大自然を肌で感じるとはこのことかと。
お父さんのデールを剥ぎ取るガイドさん(笑)
モンゴルのいいところをたくさん教えてくれた。
途中馬からおりてフォースを会得してみようとしたり、
オマロがカッコつけているので写真を撮ってあげたり、
スーホの白い馬を思い出して見たり。
こいつは馬頭琴になることはないように頼みます(笑)
1日目は太もも、股、背筋が絶望的に痛かったが、そこは馬乗りほ。意地でも毎日のってやった。
慣れてきて、草原を馬と走り抜けた気持ち良さはたまらなかった。
いつかまたお父さんのように、颯爽とモンゴルの大地をどこまでも駆け抜けたい。
う○この大地でおおはしゃぎ
乗馬が最高だったという話をしたが、ひとつ厳しかったのは寒さである。
日中太陽があるときは着込めば耐えられるが、夜は寒すぎる。
-5℃の中キャンプ生活
それでも耐えられたのは、
部屋の中央にあるこの暖炉のおかげ。
燃料に灯油なんてあるわけない。使うのは、
家畜のフン
1日のはじめは、家の前に散乱しているこれらを集めるところからはじまる。
一年間乾燥させてからっからにしてから使う。
乾燥させたものがこちら。
突如現れる巨大な突起。家の近くにいくつかある。
ちなみに写真では映らないが、
モンゴルの草原はクソまみれである。
そんななか、ゲルにあそびにきたおにぎりくんとモンゴル相撲。
最初は粘るも、
あっさりつかまり、
う○この大地に投げ飛ばされる。
最後はこの笑顔。
慣れって怖い。
がきんちょに戻った気分。
ただ草食動物のものなので、この燃料よく燃える。
しかも干し草のようないい匂い。
初めて使い始めた人すごいな。
ちなみに人間のトイレは家をでて徒歩30秒。
奥にみえる小屋にある究極のボットン便所
こちらは肥料にもならないのでしばらくしたら埋めるらしい。
ワイルドな食生活
下の話の後で忍びないが、ゲルで何を食べていたかというと基本的に、
肉・肉・肉
さっきの暖炉をつかって調理する。
特に父ちゃんが作ってくれるときはさらにワイルド。
大量の油に羊肉のぶつ切りをを突っ込むだけの漢の料理。
お母さんの時は、ご飯も出してくれた。
じゃがいもと玉ねぎが入った炊き込みご飯。
ただこれにも脂身たっぷりの肉が入ってるのでワイルド。
自分で作るチーズと馬乳酒
全部美味しかったが、肉は獣臭がすごい...
そんな胃を助けてくれたのが、
羊や馬のミルクでつくる乳製品
これがめちゃくちゃおいしい。
先ほどのチーズが朝ごはんででてきたのは感動した。
パンにチーズをのせ、少し砂糖をかける。
さっぱりとした味で素朴でやさしい味。
さらにお父ちゃんが遊牧民といったらこれ!と隣の家から馬乳酒をもらって来てくれた。
シーズンじゃなかったのにわざわざありがたすぎる。
すっぱかったけど、ザ・乳酸飲料のような爽やかさ。
アルコールはほとんど感じないけどはいっているらしい。
実際に飲んで見たかったので本当にうれしかった。
なにもない。それもいい。
遊牧生活は必要最低限のものしかなかった。
それでも家族が楽しそうなのがすごく印象的だった。
現代の子供達はある程度大きくなると市内の学校に行くらしい。
そのまま、都市にのこって帰ってこない子も多いという。
この遊牧文化がなくなるのは寂しすぎる。
卒業する前に、学生のうちに、この文化に触れられたのは本当に貴重な経験だった。
社会人になって、お金に固執するようにはなりたくない。
出世や地位を追い求めるのもちがうなぁと思う今日この頃。
ただ日本に住んで生活すると、それも必要なファクターであることは間違い無く、目を背けることはできない。
結局は自分が何をしたいのかを貫くのが大事なんだろう。
綺麗事を書いては見たが、まだまだ自分の軸を定められなくて悩む。
なにを大事にしているかということを胸はって言える大人になりたい。
ありがとうお父ちゃん、オマロ。